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以前、蟻を飼うことについての奮闘記をこのコラムで書いたことがある。
そして、途中で放置した。放置シマーした！
年をまたいでしまったが、今ここに全てを書き記そうと思う。
試行錯誤の末、数匹の蟻を手に入れた僕は蟻との共同生活を満喫していた。日に日に拡大していく蟻の巣を飽く事無く眺めた。
しかし、僕と蟻との生活は長くは続かなかった。ある思いに至ったからだ。
女王蟻との隷属関係を断ち切り、狭くはあるが安全で、食べ物の心配もない住処での生活を送る彼らは…
長くなりそうなので割愛すると、結局僕は蟻の飼育セットの蓋を開け、一時間ほど新道公園に放置した。そして残ったものだけと共同生活を送ろうと思ったのである。
もちろん彼らは皆、去っていった。再び女王蟻に忠誠を誓い、個ではなく全として生きる道を選んだ。きっとそれが彼らのアイデンティティなのであろう。時は11月。秋も半ばの夕暮れであった。
猫を飼う余裕もなく、蟻にも見放された僕は嫁をもらうことにした。
他に僕と暮らしてくれるようなものは見つかりそうにない。
猫よりは可愛くないし、蟻よりは働き者ではないが、僕は満足している。
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2011年1月26日（水）
No.34
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